お読みくださり、ありがとうございます。成熟時代をたくましく生き抜くキャリア戦略をお伝えするヘルメスゼミ®の国家資格キャリアコンサルタント、ULTRA® Master Trainer、クロイワ正一です。
10年以上前(2013年4月)にリセマムさんに提供した記事が2021年度の「大学入試改革」をそのまま予言していると好評でしたのでここに再編集して掲載させていただきます。
前回(①)は、大学受験界を巡る「総合型・学校推薦型選抜経由の学生が就職活動で不利」という噂が、いかに妄言・迷言であるかについて説明しました。
折りしも、記事発表当時の2013年3月15日、急速に進むグローバル化に対応すべく、前向きな大学改革に取り組んでいる東京大学が推薦入試(現・学校推薦型選抜)の正式導入を発表しました。
この事実こそが、まさに件の噂の危うさを象徴しています。
今回は、こうした議論の不毛さを実証的かつ論理的に示させていただきます。
第一に、この話は「総合型・学校推薦型選抜を経由した進学者の中には、高校時代にあまり勉強したことがない生徒もいる」という現実を、あたかもすべての進学者がそうであるかのように捻じ曲げています。学校推薦型選抜でも指定校制で進学する生徒は、高校の成績上位者ですから、むしろ逆です。
また、公募推薦、自己推薦または総合型選抜経由の進学者の中にも、成績優秀で学力の高い生徒はたくさんいます。「総合型・学校推薦型選抜で大学に入った。ゆえに、学力レベルが低い」という論理は、ここにおいて脆くも崩れます。
第二に、「高校レベルの勉強の習熟度が低い。それゆえ、企業は避ける」というロジックにも無理があります。日本経団連が提示する「新卒者に求める資質」を見ると、上位項目は「コミュニケーション能力、主体性、チャレンジ精神、協調性」
などとなっています。他の調査でも類似の結果が出ています。どこにも「高校時代の成績(勉強のでき具合)」といった項目はありません。さらに言えば「大学時代の成績」すら、さほど問われていないのです。
保護者の方々も、イメージしてください。「高校時代の成績は5段階評価でオール5。超難関大学に主席で入学して、大学での成績も優(またはA)ばかり」。先の噂なら、このような学生は、企業から求められるはずです。
しかし、保護者の皆さんが「自分の会社に入ってほしい人材」として想定する学生は、このような基準・尺度で評価される人物でしょうか。おそらく多くの方は、首を横に振るはずです。
むしろ「頭でっかちで融通が利かないかもしれない」といった連想から、「遠慮したい」というイメージを抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私が言いたいことは「成績優秀者がよくない」ということではありません。就職活動と大学入試の際の選抜方式は、別の次元の問題であるということです。
次回(③)は、総合型選抜や学校推薦型選抜の際に考えた志望動機が、そのまま就職活動で活用できたという事例を紹介します。そして、中長期的なキャリアデザインにおける総合型選抜・学校推薦推薦型選抜に挑戦する意義・効用についても、具体例を挙げながら説明いたします。
以上
前後の記事はコチラからご参照ください。
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(ソウゴウスイセン・ドットコム)
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